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廃熱回収システム

廃熱回収システム

 

導入計画の考え方

廃熱回収システムの導入ポイントとしては、良質な廃熱源の有無が最も重要なポイントとなります。

具体的には加熱対象と廃熱源の①温度差が小さいこと、②距離が近いこと、③熱量と熱バランスが整合していることが重要となります。

 

 

どの廃熱を利用するのか?

良質な廃熱源としては、まずは以下の2点があげられます。

1.自己廃熱を利用

廃熱源として最も利用しやすいのは同一プロセスの自己廃熱の利用です。自己廃熱の場合、温度差が小さく、距離が近く、量とバランスがマッチしていることから、廃熱源として最も効果的となります。

一方、自己廃熱だけでは熱量が必ず不足するため、ほとんどの場合、加熱側はハイブリッド加熱となるパターンが一般的です。

 

 

2.機器冷却廃熱を利用

コンプレッサー、チラー、切削機、熱処理装置など、機械装置の冷却として廃棄される熱を利用することも大いに有効です。一般的には図の通り、冷却塔で冷却する前の温水を利用します。この場合、冷却水温度が冷却塔で冷却する場合より下がることにより、機器効率が向上する効果もあります。

一方、冷却水温度が下がり過ぎて結露の問題を生じる場合もあり、機器側の温度条件の確認が重要となります。また、チラーなど季節間で廃熱に差が生じる場合は、熱バランスの確認は特に重要です。

 

 

ヒートポンプ容量の考え方

廃熱回収システムのヒートポンプ容量の考え方は、一般的には加熱側と廃熱側の熱バランスが取れている容量を基本に考えます。

廃熱をなるべく多く回収するためにヒートポンプ容量を大きくすると、環境性は高まりますが、経済性(投資回収年数)とはトレードオフの関係となり、どちらを優先するかの判断となります。

 

廃熱量と加熱量のバランスを確認します。

左図では、廃熱量>加熱量となっています。このバランスをみて仕様を検討します。 

 

廃熱量、加熱量については、年間を通じて変動があるかも確認します。

左図では、冬季<中間期<夏季の順の廃熱量となっています。

定常的に回収できる廃熱は冬季が基本となります。

 

廃熱回収システムの注意点

廃熱源が廃水の場合:腐食性(塩素イオン濃度など)やダスト、スケールの付着性がないか。

廃熱源が廃気の場合:廃水の場合と同様ですが、特に結露して腐食性が高まる場合があるので廃熱回収温度に注意が
必要となります。