冷暖同時供給システム
導入計画の考え方
廃温熱(ボイラーなど)と冷熱(チラーなど)を両方使っている工場では、冷温同時供給システムの導入が非常に有効です。
特に加熱と冷却が連続している工程がある場合には、熱バランスが調整しやすく、効果的な導入が期待できます。
冷温バランスを調整するには
基本的には廃熱回収システムと同様ですが、温熱と冷熱のバランスをとることがさらに重要となり、通常は蓄熱槽を使うか、ハイブリッド化してバランス調整を行います。
1.蓄熱槽を使う
大量に温水や冷水を使用している工程では、蓄熱槽を使って冷温バランスを調整するのが有効です。
蓄熱槽を使うことによって、さらに以下のメリットが期待できます。
●負荷変動を安定化できる
●ヒートポンプが効率的に運転でき、機器容量が最小化できる
●夜間電力の活用などエネルギーコスト的にメリットがある(昼間負荷の場合)
2.ハイブリッド化して使う
加熱側、冷却側、どちらか一方を優先し、他方をボイラーの給水予熱やチラーの予冷に使うなど、ハイブリッド化してバランスをとる方法が効果的です。
特に既設設備(ボイラー、チラーなど)がある場合は、既設設備を有効利用した更新計画など、現実的な選択手段として活用されます。
蓄熱槽による冷温バランス調整事例 | |
変動が大きい負荷の場合、「蓄熱槽」を使って冷温バランスを確保することが有効です。特に氷蓄熱槽は、限りなく0℃に近い冷水を安定して取り出すことができ、急速な冷却ができることから、食品工場(乳製品、豆腐など)で多く採用されています。 エネルギー管理上は、ピーク負荷抑制など電力平準化にも寄与することができます |