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導入計画の検討フロー

導入計画の検討フロー

 

ステップ1 まずは工場のエネルギー利用状況を確認し、下記のような効率改善が期待できる箇所から優先的に導入することが大切です。 
■ 加熱温度:低温で蒸気加熱しているプロセスはないか?
■ 配管長:蒸気配管の末端で蒸気を利用していないか?
■ 冷温同時:冷熱と温熱を同時利用しているプロセスはないか?
■ 低温廃熱:環境温度より高い廃熱を大量に捨てていないか?
■ 固定ロス:負荷率の低い状態でボイラーを使っていないか?
■メンテナンス:ボイラーメンテナンスや夜間運転(有資格者など)で苦労していないか?
エネルギー利用状況の
把握

   

ステップ2 上記の確認結果を参考に、具体的な加熱対象を選定します。選定にあたっては、以下の条件を参
照に加熱対象を抽出します。
●温度:主として100℃以下の加熱工程を優先
●用途:主な用途としては、洗浄、給湯、加熱・保温、殺菌、乾燥など
●プロセス:自己廃熱の発生プロセス、冷温同時プロセスなど
●加熱方式:一過式加熱か循環式加熱かの確認(加熱方式によってヒートポンプの機種選定が
変わります)
加熱対象の選定

  

ステップ3 具体的な加熱対象について、必要な加熱容量を検討します。実際に加熱量が計測されていれば
良いのですが、そうでない場合(新設なども含め)は、既存のデータで推定することになります。
●日間、季節間で負荷変動があるのが一般的なので、「日間、季節間の負荷特性」「ピーク
負荷」「合計負荷」を把握します。また生産計画によって影響がある場合は、その条件も
加味して検討します。
●実測データが無い場合は、①既存のお客様データからの想定、②生産機器やワークの放熱
量・比熱からの推定、③必要により一部実測を行いながら算出します。
●保温用途などでは、立上り時にピーク負荷が発生する場合が多いので注意する必要があり
ます。
加熱容量の検討

  

ステップ4 加熱に必要な熱源「冷温同時」「廃熱」「空気」の選定を行います。
熱源選定と
熱バランス検討

 
冷暖同時 ●冷熱と温熱を同時に使う工程では、まずは冷温同時供給を優先的に検討します。
廃 熱 ●廃熱がある場合は、①加熱対象との廃熱源の距離、②廃熱温度と加熱温度差、
③熱量と熱バランス、を検討します。このプロセスについては廃熱回収の場合
も、冷温同時供給の場合も同様です。
●加熱量と廃熱量、または冷熱と温熱のバランスが取れない部分は、既設の熱源
を利用するなど、ハイブリッド加熱の検討を行います。
空 気 ●廃熱が無い場合は、空気熱源ヒートポンプの利用を検討します。

  

ステップ5 上記までの検討を行ったあと、ヒートポンプの機種・容量選定と全体システム構成を考えることになりますが、負荷特性、既設工場実態、環境性の優先度などによって、容量選定、システム構成は変化してきます。いくつかの案を試算してみて、最終的なシステムを決定することになります。
●加熱負荷の変動が大きい、または負荷予測困難な場合:ベース負荷をヒートポンプとし、
残りの負荷は他熱源併用によるハイブリッド加熱にするのが一般的です。
ヒートポンプの容量を大きくすると環境性は向上しますが、回収年数は低下するため、
どの程度の回収年数にするかによってシステム構成が変化します。
●既設設備の更新などの場合:まずは既設容量をベースに検討を進めることになります。
●昼間のみの加熱利用の場合:夜間電力を活用することによって、経済性を高める可能性が
あるため、蓄熱することも選択肢の一つとなります。
加ヒートポンプの
機種・容量選定と
全体システム構成の
検討